AWS の設計構築から24時間365日の監視・運用までのフルマネージドサービス「cloudpack(クラウドパック)」を提供しており、2,000社・年間3,200プロジェクトを超える導入実績を誇るアイレット。全社をあげてAWSの認定資格取得に取り組み、現在、社員の資格保有数は1000を超えています。

AWSの認定資格は現在、全12種類。アイレットには、そのすべてを取得した資格コンプリート者がなんと10名います!(※現在廃止された資格を含め12~13種類保有する社員も)
今回はその10名を対象にアンケートを実施。前編は取得した回数や勉強時間、取得理由などの基本データ、気になる勉強法などについて紐解いてみました。AWSの資格取得に興味がある人、資格取得やコンプリートを目指す人、必見です!

AWS資格12冠達成者
・岩佐 孝浩
・金井 香平
・菊地 康之
・木下 和輝
・高橋 修一
・武川 努
・浪谷 浩一
・根本 拓
・古川 良太
・古越 勇樹

(五十音順)

基本データ編

①合格までの試験回数
平均1~2回。専門分野外の科目は3~4回受けた人もいるようです。

②勉強期間
1つの資格につき2週間~1.5か月がボリュームゾーン。専門分野外の科目では、2~3か月勉強したという人も数名いました。

③資格取得および資格コンプリートを志したきっかけ
理由1:アイレットでの仕事がきっかけ
アイレットではAWS関連業務が多いため、業務きっかけで受験した人が多くいました。

「AWSを生業にしている会社の技術者として持っておくべきだと思った」(浪谷)
「アイレットは、AWSを使うことが非常に多いため、資格を取っておいて損はないと思ったから」(高橋)
「IoTを扱うシステム開発プロジェクトの担当になったことが最初のきっかけだった」(岩佐)
「AWS経験が浅い中で入社したので、早くキャッチアップがしたいと考えたため」(木下)

理由2:周囲のアイレット社員からの影響/周囲のアイレット社員への影響
同僚に刺激されて資格取得を志した人、リーダーとして同僚の手本になろうと取り組んだ人などがいました。
会社全体で資格取得に前向きな雰囲気があります。

「チーム内で資格取得を推進するには、まずリーダー自身が率先して取得する必要があったから。正直、6冠を取得した時点で気力は尽きていたが、偉い方が取得している姿や同じチームの同僚に刺激を受け、一念発起してコンプリートにチャレンジした」(古川)
「自分が取得していけば周りの意識も変わるだろうと見込んで、“とりあえずコンプリートを目指そう”と思った」(古越)

理由3:知識の整理、自己研鑽、その他
知識の整理や自己研鑽のため、プログラム参加の必須要件にあったことなどを挙げる人がいました。報奨金という制度の後押しが決め手になった人も。

「自身の技術理解度の確認、自己評価、客観的な評価基準がほしかった」(金井)
「資格を取得したのは知識の整理に便利なので。コンプリートをめざしたのはなんとなく」(武川)
「取得のきっかけは、“Well-Architected Bootcamp”というAWSプログラムの参加条件にあったため。その後、アイレットにコンプリート者がいなかったので、どうせなら初のコンプリート者になっちゃうかと思い、実際に実現した」(根本)
「もともと資格は積極的に取得していたがタイミング的に報奨金も出るということで、取れるだけ取った」(菊地)

勉強方法編

①いつ勉強したの?
休日や長期休暇時にぎゅっと集中して行う人が大半。その他、始業前の通勤中や終業後の隙間時間を上手に活用する人もいました。

「平日の朝や終業後にちょこちょこ勉強して雰囲気を掴み、土日(または三連休)に集中して勉強し、週明けに受験するパターンが多かった」(高橋)

②どんなツールで勉強したの?
・DocBase
社内で利用している「DocBase」という情報共有ツールに、アイレットの従業員がAWS受験体験記や勉強のコツなどを記しています。「AWS認定資格」というタグで投稿された記事は現在81件も!多くの人がこれらの記事を最大限に活用していました。

「DocBaseの投稿者ベースで利用シーンを分けた。新しい試験に取りかかる時はこの人、苦しい時はこの人、開き直りたい時はこの人、という感じ」(古川)
「たくさんの記事があるので、自分にとってぴったりと参考になる人の記事を見つけることができた」(武川)
「DocBaseの受験記が試験前のイメージトレーニングで非常に参考になった」(金井)

・AWS公式
AWS公式のツールを使って勉強するのは王道とも言えそうです。

AWSトレーニング
AWSドキュメント(サンプル問題)
AWSサポート – ナレッジセンター
AWSトレーニング
AWS クラウドサービス活用資料集
Amazonのオンラインセミナー「BlackBelt」
AWS公式模擬試験
AWSマネジメントコンソール(AWSにアクセスできるWebユーザーインターフェース)からサービスを触る

「触ったことのないサービスは、検証アカウントでマネジメントコンソールから新規作成画面を開いて設定値を見たり触ったりするだけでだいぶイメージをつかむことができる。実際に新規作成して動かす場合は料金の把握や後片付けが必要なので、それも勉強になった。“Qwiklabs”のハンズオンは、料金や後片付けを気にせず触れて便利だが、そこがメリットでありデメリットだと感じた」(高橋)

・学習サイト(koiwaclub、Udemy、WhizLabsなど)
AWS公式以外の学習サイトを利用している人もいました。

「UdemyのStephane Maarekの講座が良い。ただ、全部英語なので英語が苦手だと辛いかも」(菊地)

・一般の人が作成したYouTube動画や受験記録ブログ
各認定試験対策のYouTube動画も多数存在しており、視聴して参考にした人が多かったようです。

「色んなブログやYouTubeを見漁った。一時期YouTubeのレコメンドがMachine Learning(機械学習)動画ばかりになったのはいい思い出」(高橋)

・市販の参考書
市販の参考書や書籍などで基礎知識を補完する人もいました。特に「Machine Learning」(試験項目―「AWS Certified Machine Learning – Specialty」については、参考書などを購入して勉強した人が約半数いました。

「『Pythonではじめる機械学習 ―scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎』を購入」(岩佐)
「Machine Learningについての理解を深めるため、G検定テキストを購入」(木下)
「学習過程で基礎的な語彙不足を感じる場合があり、そういった場合は別の参考書を買って対策。G検定のテキストも参照した。」(古越)

・社内の勉強会
アイレットでは、AWS関連の勉強会も盛んに行われているため、積極的に参加したという人も。

「社内や事業部の勉強会には調整してなるべく参加。業務で触れていない機械学習系サービスの勉強会では、現場の生の声が聞けて学びが多かった。その他勉強会で話している内容で分からない点があればとにかく納得するまで自分の手を動かしたり調べてみたりした」(金井)

社内で開催された座談会の様子

③具体的な勉強方法は?

すすめ方やペースは人それぞれ。ここでは、具体的な手順を教えてくれた古越のすすめ方を紹介します。

「受ける試験によって異なりますが、勉強法として基本的な流れは同じでした。
1. AWS公式で出しているガイドライン、社内/社外の受験記を読み攻略方法を考える
2. 模擬試験を受け、苦手箇所を明らかにする
3. AWS公式のサービス活用資料集やドキュメント類を読み漁り自分の言葉で要約する
4. 模擬試験の内容を振り返り、苦手箇所を再度クリアにする
5. 苦手箇所を埋めるよう学習
6. 4~5繰り返し という流れです」(古越)

④モチベーションの保ち方
多くの人が試験合格の鍵を握るはモチベーション!と教えてくれました。モチベーションとの上手な付き合い方やコツを聞きました。また、自らを奮い立たせるだけでなく、周囲からの応援も力になったようです。

「モチベーションを保つのは難しく、ついダラけて放置してしまいがち。そんな自分を見越し、高得点をとることを目的にした理想的な計画をまず引いた。目標を高めに設定した計画を引いたため、その1/2~1/3を勉強すれば合格できた」(高橋)
「コツは短期の繰り返し。モチベーションは1,2週間しか保てないと思っていたので、“1週間毎に試験を受けて2020年内に全部取る”と目標設定したのがモチベーション維持にもつながった。」(古越)
「やっていて辛くなるような勉強法は避けて、淡々と問題を解いていった。資格を取ったら周りがちゃんと褒めてくれるのはモチベーションにつながった。以前の職場ではそのような文化がなかったので」(木下)

後編につづく

前編はここまでです。
後編では、実際の試験や資格取得後の変化について加え、コンプリート者からのアドバイスも!
ぜひチェックしてみてください。