こんにちは。cloudpack.media編集長の増田です。

筆者はマーケティング部門で主にセールスリードを獲得するための活動を行う一方で、情報発信係としてオウンドメディアの編集長をやっていたり、さらに最近では人材採用にも携わっています。結果的に、3種類の名刺を使い分けるようになってきました。言わば、3足のわらじです。

特に今年は、2018年4月卒業予定の学生を対象とした新卒採用にも力を入れている関係で、この時期は業務時間の半分近くを新卒採用に費やしています。17年度の8倍近くの人数を新卒から採用する計画なので力が入ります。

筆者は会社説明会にできるだけ多くの就活生を迎え、アイレットで働く魅力を正確に伝えながら、一人でも多くの採用希望者を面接のステージに送り出すのが主な役割です。今のところ面接には参加していません。ちょうど内定者からの承諾もいただける時期になりましたので、これからは内定者のケアにも携わります。

就活生=見込み顧客

という図式を描くと、マーケティングでは当たり前の概念やプロセスがそのまま適用できてしまうよ、マーケティングの力で採用を成功に導こうよ!というお話がこの記事の本題です。

例えば、各種マーケティング活動から案件パイプラインを作り込んでいくような場合、こんなプロセスで可視化していくことがあります。

こんなマーケティング的なアプローチを、新卒採用に置き換えてみると、次の図のような感じに。

アイレットにとっては、IT業界を志望する学生 に会社の存在に気づいてもらうところがスタート地点です。会社説明会への来場を促し、参加したらアイレットで働くイメージを膨らませてもらえるような工夫を凝らしています。選考希望者から履歴書を送ってもらったら、いよいよ選考プロセスに突入します。

採用マーケティングを担当する筆者としては、認知から内定までの全体を可視化し、最終的には新卒採用そのものの最適化を目指そうと考えています。今は法人営業のマネジメントに登場する『BANT情報』に相当するものを、採用でも何かしら確立できないものかと模索しているところです。

会社説明会で必ず質問していること

会社説明会に来てくれた学生を相手に、筆者が必ず尋ねていることがあります。特別な内容ではありません。

「就活どれぐらい進んでいますか?」
「何をみてアイレットを知りましたか?」
「どんなキーワードで検索して、アイレットの何が気になって来てくれたのですか?」
「今日の説明の中で、一番印象に残ったエピソードは何ですか?」
「一番わかりにくかった話は何ですか?」

筆者が選考に関わっていないことを明かした上で、これらの質問をしています。マーケティングに携わる人なら、これら質問の意図を理解するのは容易いことでしょう。

前述の質問の意図は、私たちが意図したルートで会社説明会に誘導できているか、誤解された状態で参加されていないかの点検と、私たちが伝えたいメッセージが就活生に的確に届いているかの確認が狙いです。参加者の回答に、筆者が補足したりもできるし、正しく伝わっていなければ、その場で訂正することもできます。さらに次回の会社説明会に向けてスライドを含めて全体を微調整していくこともできます。

俗に言う『PDCA』というやつですが、筆者は『PDCK』(Kはカイゼン)と呼んでいます。

スライドは筆者が作成していますが、プレゼンは執行役員の後藤和貴に委ねています。カイゼンの結果、微妙に変化していくスライドにつきあわされる後藤は大変そうですが、参加した学生からの反応は上々なので嬉しい限りです。

このまま19卒の採用が始まるまでカイゼンは続きます。

手始めに『クラウド業界勉強会』を開催

『IT業界』という複雑怪奇な業界を、社会未経験の学生がどれほど正しく理解しているものでしょうか?

前職でお会いしたことのある就活生は「ITの仕事ってプログラマーのことだと思っていました」と語っていたのを思い出して、2月に就活解禁日を前にIT業界を知ってもらうための『勉強会』を開催しました。親しみやすく楽しく参加してもらいたいな、と『アイレットーーク』という名称にしています。

このときは「クラウド業界ってどうよ?」「先頭集団の人だけど何か質問ある?」就活解禁直前!クラウド業界勉強会、なんてタイトルだけ、ちょっと煽ってみました(笑)

IT業界をわかりやすく分解して「クラウド」という潮流を紹介したり、さまざまな疑問や質問に答える代わりに、理系・文系それぞれの18卒予定の学生におけるITキーワードに対する理解度と、IT業界をどう解釈しているのかを知りたいと考えたのです。

この勉強会では、業界歴の長い(笑)筆者自身がプレゼンをすることになったのですが、フランクな雰囲気で業界話を盛り上げながら、IT業界で働くイメージを膨らませたいと考えました。スライドを作り込むとどうしても一方的な説明に走りがちなので、わざとプロトタイプ程度のクオリティで臨みました。発問を随所に織り交ぜ、学生の反応を確かめていくスタイルにしたので、参加した学生は少し大変だったかもしれません。

おかげで筆者は、どんなメッセージが学生に刺さるか。どんな情報が面白がってもらえているか、生々しく反応を観察することができました。

この勉強会で得られたフィードバックは、その後の会社説明会のスライドはもちろん、マイナビなどに掲載するコンテンツの見直し等に大きく影響しています。アイレットにとって望ましい『就活母集団を形成するための認知・理解の向上』に役立っていると自負していますが、これもすぐに改善が必要になるでしょう(笑)

新卒の50%が3年以内に転職していく現実に向き合う

せっかく採用できても、半分は3年以内に辞めていってしまうそうですよ!

それなりに苦労して就職した会社を短期間で辞めてしまう理由は何なのでしょう?

社会人未経験の学生が、聞いて見て想像していた会社の様子と、入社して実際に働いたらギャップが大きすぎたとか。給与・残業など就業条件が、聞いていた話と違ったとか。入社したらなんと巷に言う『ブラック企業』だった、やってられん!とか。

まあ、理由は人それぞれとしても、多かれ少なかれ『理想と現実の違い』が最初のきっかけになると言っても過言ではありません。なんで、そんなに言い切れるかって? ごめんなさい、筆者も新卒で入社した会社を3年で辞めたクチなもので(汗)

なので、新卒の会社説明会では「ウチの会社ってこんなにスゴイんだぜ!」と言う自慢だけはしないようにしています。アイレットと比べたらいくらでも『上には上』がいますし、世の中に優れた会社は山ほどありますので、つまらない虚栄心は自殺行為に等しい。「ここは素晴らしい会社だ!入社したい!」と勘違いされても、入社後のギャップが生まれるだけですからね。

(中途採用なら『見る目のないあなたが悪い。自業自得だね』と突き放すこともできるかもしれませんが)

採用がうまくいかない企業には特徴があった

って書くと、あたかもアイレットの採用が順風満帆な印象になりますが、そんなことはないです(だからマーケ風情が頑張っているわけです)。

「ヒト・モノ・カネ」は重要な経営資源であるからして、人材は会社の財産であり、採用は経営戦略の要です。だから、どの会社でも採用は一大事なはずなんです。

ここまで採用がうまくいかない企業の採用担当と何度か出くわして、情報交換をしたことがありますが、共通しているのは、片手間で採用に取り組んでいること。候補者への対応が非常に事務的であること。それは、まさにヘッドカウントを満たすことに主眼を置いた『人材調達』そのものでした。

なんとなく塩対応にお心あたりのある方は、3度は心の中で唱えてから業務に臨むだけで、何かが変わるのではないでしょうか。

「採用は調達ではない」「採用は調達ではない」「採用は調達ではない」

採用は合否までのつきあいではなく、入社したら長いお付き合いになる仲間になるわけですし、競争を勝ち抜くための戦力として、会社の未来を左右する存在でありますからね。そう、マーケティング的な言い方をすれば、採用もLTV(Life Time Value)の考え方で向き合うべきだよね、と筆者は思うのでした。

中途採用もマーケティングの力で

ご存知の方も多いと思いますが、アイレットでは中途採用もマーケティングアプローチでいろいろと仕掛けています。長くなるので、また別の機会に。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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この記事は増田隆一(marketing communication, cloudpack)が書きました。