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2017.05.30 TUE

ガートナーのクラウド評価が的確すぎてぐうの音も出ない

WRITTEN BY 齊藤 愼仁

シンジです。クラウドを取り扱っている中の人ならまだしも、多くのユーザー達はクラウドの本質を理解していません。そもそも理解する必要なんてあるのかとも思っていますが、分析ならお任せあれの我らがガートナーさんが発表したクラウド評価の資料たった1ページの説得力が尋常じゃなかったので紹介します。

ソースはこちら

“クラウド後進国、日本”は、変われるか ガートナーの見方は (1/2) – ITmedia エンタープライズ

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1705/08/news042.html

クラウドに関する誤解

この資料です。これです。3カテゴリに分けて、「誤解」「リアリティ」「アクション」としていますが、まぁ良く出来ていること。シンジなりに思うところもあるので、意見します。

誤解

クラウドは使えるのか、といった議論をする

議論不要です。議論してる暇があったらさっさと使いましょう。試して捨てられるのがクラウドです。

クラウドは預けるものである

預けるものではありません。自分でコントロールしなければなりません。

クラウドにRFPを出せる

出せますが出したくありません。企業規模が大きいクラウド屋さんほどRFPに答えますが、RFPを書いてる最中にもクラウドは進化します。RFP通りの設計構築が終わった頃には時代が変わっています。

クラウドにすれば安くなる

経験上、まず安くなることはありません。多くの場合、これまでなかった付加価値、つまり大きな恩恵を受けることになるので、これ以上にコストを支払うべきです。安くするためには、これまで無駄だったものをそぎ落として適切なサイズにマッチさせてやるだけです。

クラウドのセキュリティは万全である

そもそも万全なセキュリティなど幻想です。ただし、クラウドの方がセキュリティレベルが高いことはままあります。

基幹系のクラウド化が当たり前になっている

はっきり言って、日本企業における基幹システムのクラウド化は相当なチャレンジです。明らかに既存システムが負の遺産であると感じていなければ、クラウド化するメリットを受けるためには、相当な投資かもしくは学習をする必要があります。

詳細な比較表を作って検討しようとする

詳細な、というのがポイントで、比較表そのものには価値があります。ビンテージのワインを比較するのは違い、クラウドは凄まじい速度で常に進化します。何を比較対象とするか、中身も大まかな方が良いです。もっともやってはならないのはコスト比較です。クラウド化で受けられる恩恵が何かを比較すべきです。

クラウドの検討に1年をかける

1年分の給料を会社に返すべきです。クラウドの利用において、検討は呼吸以下です。使うことが前提なのです。その上で使えないという判断を下せるかどうかなのです。

最初から完璧なクラウド化計画を作る

気持ちは分からなくもないですが、クラウドには相性があります。相性の良いところから進めていかないと、息が続きません。

クラウド・ファーストが絶対正しい

クラウド・ファーストとは、新規事業においてクラウドを利用することを絶対とするものではありません。クラウドの利用を前提に考えますが、クラウドが適切ではないと分かるかどうかが重要なのです。

リアリティ

クラウドはさまざま、本物と偽物が混在

なぜガートナーが偽クラウドの存在を把握しているのか恐ろしい限りですが、偽クラウドは実在します。ここで名指しすると訴えられそうなので書きませんが、中の人ですら偽物だと分かって売っているので、つまりはそういうことです。

クラウドは利用と提供のモデル

つまり設計・運用するものではないと言いたいのか分かりませんが、多くの場合は利用と提供で片付きますが、クラウドネイティブな企業ほど運用もしていると思います。ただ、IaaSを設計するような無謀な会社はフリービットくらいしか知りません。

クラウドは標準サービス

その通りです。

同じクラウドでも価格は大きく変わる

同じお米でも価格が変わるのと同じ事です。同じお酒でも価格は変わります。クラウドは構成される要素がかなり複雑です。サービス単体では比較できません。トータルサービスです。ちなみに北海道のお米、ゆめぴりかはコスパ最高です。Amazonで買えます。ホクレンのがオススメです。

自己責任

クラウドに限りませんよね、これって。

基幹系もクラウドもさまざま

クラウドには相性があります。何もかもがクラウドで完結するとは限りません。

詳細化してもよく分からない

クラウドの本質、中身がどうなってるかまで知りたい、分かりたいエンジニアは、もはやベンダーに転職するみたいです。マジで。

使わなければ分からない

これはすごく重い一言です。とりあえず使ってみるのは簡単なのですが、使い続けるのは難しいのです。つまりノウハウを得ることはすぐには出来ないわけです。どんなサービスかは使ってみないと分かりませんが、例えば東京リージョンごとダウンしてサービスが落ちるかどうかは、使い続けないと分かりません。

何が起こるか分からない

分かりませんよね。クラウドのライセンス料金を倍額にしたOracleとかいますし。

何が良くなるのか、が重要

クラウドは道具なのです。しかも抜群のプロ向けツール。使いどころを間違えていると、高いプロ向けツールのメンテナンス費用だけがかかるような感じですかね。

アクション

個々のプロバイダーを議論する

使う前提で考えてみましょう。それでもダメならオンプレで。

良ければ使う、嫌なら使わない

嫌でも儲かるなら使うべきだと思いますけどね。良いところだけを部分的に使うのは効果的です。

クラウドにRFPを出さない

何も無いと僕らも困りますが、カジュアルなものは1時間の打ち合わせの議事録だけで、翌日にはシステム丸ごと完成してるレベルです。それがクラウドです。クラウドのRFPはかなり独特です。何故なら、詳細に定義しなくとも、多くの事をクラウド側でいい感じに勝手にやってくれるからです。

価格モデルを理解する

言い切りますが、正確なコスト算出は絶対に不可能です。多くのベンダーがコスト計算ツールを用意していますが、未だにインテグレーターの経験則から算出されるざっくりとした「いくらぐらいっすかね」が、かなりいい線で当たります。

具体的な記述を確認する

おそらくこれは、SLAやSLOなどのサービスレベルの値であったり、可用性の値であったり、サポートの返答時間であったり、セキュリティに関する記述のことを指しているのかもしれませんが、いわゆる偽のクラウド事業者は、このあたりが曖昧か、そもそも書いていません。

要件を松竹梅で明確化する

これはすごく重要です。いきなり最高な構成に持って行ければ素晴らしいとは思いますが、規模が大きくなるにつれて難しくなります。その際に、現時点での最高はこれなんだぞと理解、共有しておくことで、最小の構成で構築したとしても、それは将来的には最高の構成に持っていける状態を作っておくことができるからです。

まずは大まかに捉える

自社ビジネスの本質を最重要課題とすべきなので、クラウド化そのものに労力をかけすぎては本末転倒です。大まかに考えたとしても、ここだけは絶対に譲れないところってありますよね、それ、本当に譲れないところなのか考え直した方がよいです。

まずは試行する

多くのクラウドサービスは試すことができます。そして簡単に捨てることができます。

経験しながら学ぶ

とはいえ情報量には限りがあります。多くのコミュニティが集っているクラウドサービスを積極的に利用するのもひとつの選択肢です。

良くできることを考える

クラウドを使うのは呼吸と同じです。考えるな、感じろってことです。

ということだそうです

詳細資料はガートナーにお金払うと買えると思いますので聞いてみたらいいと思います。

ビジネスって、戦争みたいなものだと思うわけです。すげー戦ってるじゃないですか。

IT使うとスゲー強くなるってのも、もう分かってますし。

数千万円を投じているオンプレミスなデータセンターが、いまや「ひのきのぼう」を持っているだけの可能性だってあるわけです。

そこに突如クラウドという、スタートレックの戦艦のような、ナイトライダーのような、ジャックバウアーやイーサンハントも顔負けのビックリ兵器が登場して、もうパニックですわ。

その武器、使いこなした方が強いって、そりゃそうだよねって思いませんか。

元記事はこちら

ガートナーのクラウド評価が的確すぎてぐうの音も出ない

齊藤 愼仁

cloudpack 社内インフラ担当、情報セキュリティ責任者。HPCを経て現職に至る。無類の猫好きで、すだち君という名の猫を飼っている。