渋谷ヒカリエで開催された、Box World Tour 2015に参加してきた。

現在弊社では、Boxを導入しようとしている。Boxは、企業が使用する場合に必要となる共有の管理やセキュリティ、監査、シングルサインオンなどの様々なエンタープライズ向け機能があるクラウド型のストレージサービスである。

現在、色々と検証中ということもあって、他社の事例が聞けることを期待して参加した。

発表されていた事例は、早稲田大学、GREE、楽天、第一三共だった。それぞれ、なぜ導入したのか、という話はだいたい似通っていて、どこも同じような課題を抱えているのだなと思った。

主な課題は以下のようなもの。

  • ストレージ不足
  • ファイルが探せない(検索できない)
  • アクセス制御が難しい
  • 外部の人との共有の問題
  • バージョン管理

Boxは、これらの課題を解決できるという。弊社も同様な問題を抱えているので、個別の事例は参考になった。

話を聞いていて、注目したものについてピックアップしてみる。

充実したAPI

APIを使って管理・監査を楽にできるというのは、とても大きいメリットだと思った。特に印象に残ったのは、GREEの事例で、社外の人と共有するものについては、申請をしてもらうことで、それの共有範囲が申請された範囲を超えているかどうか、定期的にAPIを使ってチェックしているという所。もしチェックがパスしなかったら、即座に共有が停止され、メールにて通知されるという。こういうハックができるのは素晴らしい。

全てのアクティビティについてのログ

誰が何に対してどんな操作を行ったのか、といったログが全て参照できる。これは、セキュリティに関する各種認証(PCI DSS、SOC、Pマークなど)に対応するためには必要な機能。また、監査を行うことができるシステムもあるとのこと。

SaaS系は比較的ログが弱いと思うので、他社はもっとがんばって欲しい。

データ移行は大変

これは弊社でも同じ悩みがあって、大量にあるファイルをBoxに持って行くのが大変だと思った。 FTPを使った事例が紹介されていたけど(余談だが、BoxがFTPに対応しているというのはすごい)、自分がテストした範囲では、WebDAVも結構行けると思った。

ストレージ利用ポリシーの定義が重要

Boxの共有や権限付与の方法は、従来とは違う考え方になるため、従来の使い方をそのまま持って行こうとすると、却って不便になりそう。最初にそれなりにポリシーを定義しておかないと、後で苦労しそう。

また、Box以外のストレージの使い方も決めておかないと、他のクラウドストレージを使われて管理できてなかった、というような不幸なことも起こる可能性がある。ストレージはすべてBoxに統一すると決めて、かつ、ユーザがBoxを使いたく成るように管理者がお膳立てをするのが重要。Boxが不便だからという理由で、他のストレージを使われるのは困るため。

StreemFS

PCのローカルにBoxのファイルを同期することができる、Box Syncというのがあるが、これの代わりになるもの。StreemFSという技術を使って、ローカルのファイルシステム上に実際のファイルのエイリアスが見えるようにして、あたかも実体がそこにあるかのように見えるとのこと。これを使うと、大量の更新されたファイルの同期によって、帯域が食われるようなことが無くなりそう。まだリリースされていないようなので、期待したい。

その他、かなり魅力的な新機能がいくつか紹介されていて、今後にさらに期待できそう。

まとめ

参考になる他社事例と、新機能などについて知ることができて、有意義だった。 弊社でも、Boxをどんどん有効活用していきたい。

元記事はこちら

Box World Tour 2015に参加した